
水中で自由に動くハウジングは、まるで無重力空間を泳ぐ宇宙船。 そのために必要なのが、”中性浮力”という知恵と工夫です。
ミラーレス一眼にせよコンパクトにせよ、フォーカス用ライトやストロボ(フラッシュ)など必要なもの、クローズアップレンズなどあったら便利なものを、どんどん水中ハウジングに付けていくと、とても重くなる。
そこで登場するのが、フロートアームだ。ハウジング本体とストロボをつなぐアームで文字通り浮力のあるアームである。手頃な値段のものを見つけて取り付ければいい、というものではない。ダイビングで言うところの中性浮力が大事なのだ。このフロートが無いハウジングはBCを着ていないダイバーと同じであると言える。BCが無かったら永遠に地球の重力に引っ張られるから、いつも水底にいなければならない。
さて、BCは水中で浮きも沈みもしない状態「中性浮力」になることができる。BCの中に空気をちょっと入れたり、ちょっと抜いたりして調整する。フロートアームはそうはいかない、あらかじめ浮力重量が決まっているからである。少ない浮力なら相変わらず重い(沈む)し、多すぎれば手を離すと高価なハウジングが浮いて行ってサヨナラとなってしまう。では、どうやって中性浮力を取るために必要な浮力重量を知ることができるのか?
水中重量を知ることである。ハウジングだけでなくカメラも入れ、アクセサリーもすべて付けて水中重量を計測する。例えば水中重量が1kgだったとき、1kgを相殺すればいいので、フロートアームは500gのものを左右に付ければ、浮きも沈みもしない中性浮力になる。

中性浮力になったとしてもダイバーもハウジングも「トリム」が大切である。それは、ハウジングについているレンズ(ポート)が中性浮力で正面を向いているようにフロート(浮力体)の場所を調整するのだ。ハウジングをテーブルに置いたような形で中性浮力になっているように調整する。
特にミラーレス一眼用ハウジングに100mmレンズを付けるとレンズ部分が重くなりレンズポートが下を向くことになる。これを防ぐには、前出の状態ならポートに200gぐらいの浮力体を付け、アームは400gを左右に付ければトリムが取れ、水中でハウジングを離してもハウジングはレンズポートが正面を向き中性浮力で浮いている。

水中で浮いて、構図に集中する。それだけで、撮れる写真は劇的に変わります。



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