エンリッチドエアーナイトロックスの普及と課題
Enriched Air Nitrox Dive Centerとエンリッチドエアーナイトロックスコースを最新版に更新しました。より詳しく、実践的な内容になったと思います。
今やこの資格はレジャーダイバーの間で広く普及し、ほとんどの方が取得している印象です。これは本当に素晴らしいことです。
しかし、実際に現場で多くのダイバーと接して感じるのは、「アナライザーの扱い」と「ラベリングの理解」が弱いということ。ラベリングができないということは、MOD(最大作業深度)も曖昧になりがちです。MODが理解できていなければ、CNS(中枢神経毒性)やOTU(酸素毒性単位)も正しく把握できていない可能性があります。
これはダイバーの責任ではありません。むしろ、担当インストラクター、そして認定指導機関の教育方針に問題があると感じています。
「空気」で行われるナイトロックス講習の限界
本来、混合ガスを扱うべきナイトロックスコースなのに、実際には「空気」で講習が行われているケースが多く見受けられます。
その結果、受講者はマニュアルに書かれた知識をほぼ独学で習得するしかなく、実践的な理解が深まりません。
例えば、アナライザーで「空気」を測定しても数値に変化がないため、流量の調整による反応を体感できません。少量でも多量でも同じ数値が出るため、流量の感覚が身につかないのです。
当然、こうした講習を行うインストラクターはラベリングの重要性も理解していないことが多く、受講者も記入できません。
お客様はコース料金を支払っているのですから、対価に見合った内容を提供すべきです。

「混合ガス」の誤解とメンブレンの仕組み
「混合ガス」と言っても、実際にはアーバンスポーツではガスを混合していません。
使用しているのは、大気中の空気から酸素濃度を高める「メンブレン方式」です。
この方式では、中空糸繊維が束になった筒に空気を送り込みます。空気中の酸素と窒素は透過速度が異なり、酸素はストレートに進み、窒素は脇から排出されることで酸素濃度の高いガスが得られます。
この仕組みは、減圧症のメカニズム理解にも応用できます。
例えば、体内組織に高いガス分圧が残ったまま急浮上すると、窒素は気泡化して減圧症を引き起こします。一方、酸素は透過速度が速く、体内で消費されるため気泡化しにくい。こうした説明ができるのも、ナイトロックスの理解が深まっているからこそです。
しっかり学ぶために
エンリッチドエアーナイトロックスコースはレジャーダイビング向けのコースですが、しっかりと身につけるには信頼できるインストラクター、そしてEnriched Air Nitrox Dive Centerのような専門性の高いダイブセンターでの受講を強くおすすめします。
安全と理解は、知識だけでなく「体験」と「対話」によって深まります。
ぜひ、納得のいく講習を選んでください。


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