荒れた海の隙間に潜った日 ― メバルが見せた、海の秘密

四島夏物語

先々週から続く前線の影響で海況が安定せず、ダイビングの可否判断も前日まで引き延ばされる状況が続いています。 強風・波浪・大雨が途切れなく押し寄せる中、わずかに弱まった日を狙って、四島ジェッティへファンダイビングに行ってきました。

海に入った瞬間、落ち込んでいた気持ちが一気にテンションアップ。 大雨による河川濁流の影響も思ったほど強くなく、透視度は予想以上に良好でした。

今回のハイライトは、アカメバルの興味深い行動です。一匹は淡い色合いのメスと思われる個体。 もう一匹は赤みが強く、オスと思われる個体。
この2匹が、並走したり、オスがメスの前に出て進路を遮ったり、といった行動を繰り返していました。「こんな高い水温で繁殖行動?」と思いますよね。 しかし、これは本格的な求愛ではなく、“社会的接触行動” と呼ばれるものです。

メバルは基本的に単独行動をする魚ですが、 岩陰や岩の亀裂のような狭い空間では、ゆるい社会性を持つことが知られています。今回のような並走や進路遮りは、 求愛前の予備練習=前兆的接触行動 と考えられています。人間に例えるなら、 「正式なプロポーズの前に、お付き合いの時間を過ごしている」 そんな段階です。庄内の海はこれから冬に向かって水温が下がり、15℃前後で求愛行動が本格化、12〜10℃で産仔期(さんしき)=稚魚を産む時期に入ります。

今回の観察は、まさにその “入り口の行動” を捉えたもの。 高水温期でも、日長の変化によってこうした前兆行動が現れることがあります。海って、本当に不思議なことがたくさんあります。だからこそ、何度潜っても飽きないんですよね。

【この日の海況コンディション】
天気🌤️ 気温 28-20℃ 水温 28-26℃(Av27℃) 平均透視度 12m 風 E

※写真はすべてこの日撮影

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